情報化社会と市民2025前期06フェイクニュースの処方箋+情報生態系の未来(+ジャーナリズム論)

教科書

第5章 フェイクニュースの処方箋
第6章 情報生態系の未来

■偽ニュースを見抜くスキル

メディアリテラシー
①メディアに対する知識
②クリティカルシンキング
③デジタルリテラシー

メディアリテラシーが高い人は偽ニュースに騙されにくい。
現代の若者のメディアリテラシーは高くない。

ESCAPE
①証拠
②情報源◎
③文脈
④読者(オーディエンス)
⑤目的
⑥完成度

■フェイクに異を唱える社会づくり
ファクトチェック:客観的事実に基づくかを調査し公表する活動。
ファールス(虚偽)に対抗するしくみが必要。

■法による規制
2018年EUのGDPR(一般データ保護規則)個人情報保護

■情報生態系の未来(第6章)まとめ
①フェイクニュースは情報生態系の問題である。
②人間の認知特性(見たいものだけ見る)
③社会的ネットワーク(似た人とつながり影響し合う)
④文脈(情報過多と有限の注意力)
⑤ソーシャルメディアのアルゴリズムやプラットフォームは政治的動機や経済的動機によって②③④の脆弱性をシステムレベルに増幅する。
⑥偽ニュースはミームとして拡散する。
⑦この状態がエコーチェンバーやフィルターバブルである。
⑧対策としてのメディアリテラシーやファクトチェックは「事実は重要である」ことを再確認する。そのための制度作りが始まっている。


以下補足





■メディアリテラシーの概念枠組み

①メディア言語:メディアは意味を創造し、伝達し、説得するために、特定の修辞技法と装置を使用する。話し言葉、書き言葉、画像、動画、音声の組み合わせ。コードや慣習やルールや文法。カメラアングルやショットや効果音やキャプション。

②表象:メディアは世界がどのようなものであるかを提唱し、その提唱が真実であることを納得させようとする。つまりメディアは世界を特定の方法で表象し、それ以外の方法では表象しない。メディアは透明な「世界への窓」を提供するのでなく、出来事を選択し、組み合わせ、議論を構築し、ストーリーに仕上げ、キャラクターを創作する。

③制作:メディアは個人や組織、しばしば強力で収益性の高い営利企業によって、特定の動機と利害関係を持って制作されている。メディアは意識的に作られ生産されている。メディア制作には特殊な技術と専門的な労働が必要である。

④オーディエンス:メディアは私たちをオーディエンスとして標的にし、情報や娯楽を提供する。私たちは自分のアイデンティティと世界における自分の位置についての感覚を身につける。メディアはオーディエンスをターゲティングし測定し流通させる。

⑤メディアによって可能になる社会的実践:

■クリティカル・シンキング




基準はどれ?
①合理的(論理的)思考
②反省的(省察的)思考
③批判的(懐疑的)思考

■国家の情報戦・認知戦(予告)

ポストトゥルース時代のジャーナリズム
ニュースの送信者が多様化し、ジャーナリズムの原理原則もあってなきがごとく。何がフェイクで何が事実なのか。ジャーナリズムが事実性を担保する仕方はどのようなものなのか。現代におけるニュースはどうあるべきか。

Post-Truth:真実がどうでもよくなった時代
報道への疑問+ネット世論
松林薫『「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方』晶文社、2017年。
フェイクニュース2016:イギリス国民投票とアメリカのトランプ
メディアの価値48-
1 娯楽・暇つぶしの提供
2 共通の話題の提供
3 意思決定に必要な情報の提供
4 多様な意見の紹介・議論の場の提供
5 アジェンダセッティング(議題設定)
6 教養・学習・実用情報の提供
7 歴史の記録

訂正を前提としたメディア:速報性
メディアの制約条件
1 取材の限界:リソースの投入、物理的距離
2 時間の限界:締切
3 字数の限界
4 読者の限界:読者のニーズ
5 収益の限界:ビジネスモデル
メディアの生態系:序列ではなく

ジャーナリズムの原則と実践(プロ向け)
ビル・コヴァッチ+トム・ローゼンスティール『ジャーナリズムの原則』日本経済評論社、2002年。
目的:市民の自由と自治に必要な情報の提供
真実、市民、検証、独立、権力監視、代弁、公開討論の場、均衡、良心

ジャーナリズムの道徳的ジレンマ
畑仲哲雄『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』勁草書房、2018年。
人名と報道
報道被害
取材相手との約束
取材者の立場と属性
プロ意識と市民意識

疑いながら物事を知る方法
ビル・コヴァッチ+トム・ローゼンスティール『インテリジェンス・ジャーナリズム』ミネルヴァ書房、2015年。
1 私が読んだり見たりしているのは、どんなコンテンツなのか。
2 情報は完全に揃っているか。もしそうでなければ、何が欠けているのか。
3 情報源は誰であり何なのか。その情報源が信用に足るという根拠は何か。
4 どのようなエビデンス(証拠)が示されているか。それらは、いかに検証がなされたか。
5 もし考えられるとしたら、別の説明や、他の理解のしかたとはどんなものになるのか。
6 自分は本当に必要な情報を得ているのか。

ハンス・ロスリング『ファクトフルネス』日経BP社、2019年。
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