こころとからだのリテラシー(身体文化論)2025前期06こころ編(4)心身問題(心と体の結びつき)

井の頭線渋谷駅のホームにて(感情論とシンクロ)

第6回こころ編(4)心身問題心と体の結びつき

唯物論(心は物理的過程に還元できる)

心身二元論:デカルト17世紀

生物学的自然主義

社会構築主義

■生命現象の系列(生命に埋め込まれている)
身体(脳)→心(意識・感情)→コミュニケーション→社会

■社会現象の系列(社会に埋め込まれている)
社会→コミュニケーション→心(意識・感情)→身体(脳)

観察者に依存する問題と依存しない問題

脳腸問題

■心脳問題

脳科学(神経科学を中心とした学際領域)




文系でも読める脳科学者の本。YouTubeも多数あり。中野信子、茂木健一郎。その他、脳科学などは講談社ブルーバックスを参照。

本日のテーマ

身体は記録をつけている。

ヒッチコック

■プラセボ(プラシーボ効果、偽薬効果)



砂糖を入れたカプセル、生理食塩水の注射、麻酔をかけて傷だけ付ける手術、薬効はないが副作用はある活性プラセボ。


医師の言葉が患者の期待を引き出す。
新薬の二重盲検テスト
神経伝達物質のエンドルフィンを分泌させる。
医者と患者の関係。
社会的黙従傾向の強い人。信じる力。
ノーマン・カズンズのケース。笑いとビタミンC。重い膠原病。
①生への意欲が治療効果を持つ。
②医者の最大の仕事は、患者の生への意欲を最大限に発揮させ、病気に対する抵抗力を総動員すること。
③医者は患者の生への意欲を阻害してはならない。
鎮痛効果
代替医療(オルタナティブ・メディスン)
言葉しか使わない精神分析
宗教の神秘体験

■ストレス

『ヒルガードの心理学』より。


→潰瘍、梗塞、喘息、湿疹、腫瘍

ストレッサーとストレス反応
①制御可能性②予測可能性③持続期間
制御不可能な出来事は学習性無力感を生む。
ストレスに対する生理的反応:基礎代謝率の上昇、心拍数の上昇、瞳孔の拡大、血圧の上昇、呼吸数増加、筋緊張、エンドルフィンやACTHの分泌、肝臓から余分な糖分の放出。
長期になると副腎皮質の肥大、リンパ節の縮小、胃潰瘍。他のストレッサーに対する生体の抵抗力を減少させて、免疫系の阻害によって感染症や病気にかかりやすくなる。
タイプA様式:心臓発作を起こす人の特徴。時間に追われてる感覚を持つ、ささいなことで敵意を強める、達成意識が強く競争的。
免疫系:短期的ストレスは免疫反応を強める傾向、長期的ストレスは免疫機能を低下させる。(コレチゾール等の生化学物質が免疫系を抑制するようになるから)
楽観性と悲観性、ハーディネス(参加意欲と制御管と挑戦欲)、意味を見いだすこと。
コーピング(対処行動):問題焦点型と情動焦点型。→回避方策や反芻思考ではなく柔軟なコーピング・スキル。

■トラウマ

『トラウマ類語辞典』目次(脚本家のための)

まずは状況を想像してみる。

◇犯罪被害のトラウマ
カージャック/個人情報が盗難される/殺人を目撃する/住居不法侵入/ストーカーされる/性暴力の被害に遭う/暴行を受ける/未解決事件の被害者になる/物扱いされる/拉致監禁される

◇障害や損傷によるトラウマ
一般的な美基準から外れた身体/学習障害/外見の損傷/外傷性脳損傷/過剰な美貌/五感のひとつを失う/性機能障害/精神疾患/対人関係不全/手足の欠損/発話障害/不妊/慢性的な病気の苦痛

◇失敗や間違いによるトラウマ
過失で人を死亡させる/世間を騒がす間違いを犯す/子どもの人生から消える/プレッシャーに負ける/人命を救えなかった/多くの犠牲者を出した罪に苛まれる/人間として正しい選択ができなかった/同調圧力に屈する/破産宣告/まずい判断が不慮の事故につながる/服役者/学校で落ちこぼれる

◇社会の不正や人生の苦難によるトラウマ
悪意ある噂を立てられる/いじめに遭う/冤罪/解雇/レイオフされる/飢饉・干ばつ/暗い秘密を持つ/権力が乱用される/社会不安/第三者の死の責任を不当に問われる/貧困/不当な拘束/偏見・差別/ホームレスになる/母国を追われる/報われない愛

◇誤った信頼と裏切りのトラウマ
アイデアや仕事の成果が盗まれる/浮気・不倫/親が異常な人間だと気づく/親に別の家庭があることが発覚する/顔見知りによる幼児への性的虐待/兄弟姉妹の虐待に気づく/兄弟姉妹への不信/業務上過失で愛する人を失う/近親相姦/子どもが誰かに虐待されていることに気づく/失恋/自分が養子だと知る/自分の証言を信じてもらえない/信用していた人に裏切られる/絶縁・勘当/組織や社会制度に失望する/仲間外れにされる/望まれぬ妊娠/パートナーの隠された性的志向を知る/配偶者の無責任による家計の破綻/夫婦間のドメスティックバイオレンス/模範的な人への失望/有害な人間関係

◇幼少期のトラウマ
依存症の親のもとで育つ/幼い頃に暴力行為や事故を目撃する/親からの拒絶/過保護な親のもとで育つ/カルト集団の中で育つ/感情をあらわにしない家庭で育つ/期待にそぐわないと愛してくれない親のもとで育つ/兄弟姉妹間でひいきをする親のもとで育つ/強姦によって自分が生まれたことを知る/子どものことを後回しにする家庭で育つ/自己愛の強い親のもとで育つ/児童養護施設で育つ/支配欲が強い/厳格な親のもとで育つ/衆目に晒されて育つ/障害や慢性疾患のある兄弟姉妹と育つ/治安の悪い地域で育つ/出来の良い兄弟姉妹とともに育つ/ネグレクトの親のもとで育つ/非定住生活/保護者に虐待されて育つ/幼少期から家族の面倒を見る/幼少期・思春期に親を失う/幼少期に親と離れて育つ

◇予期せぬ出来事によるトラウマ
愛する人が無差別暴力行為の犠牲になる/愛する人の自殺/生き残るために人を殺す/学校での銃乱射事件/管理下にあった子どもの死/拷問/子どもを養子に出す/事故で死にかける/自身の離婚/自然災害・人災/死体と一緒に取り残される/自宅の火事/遭難/中絶/テロに遭遇する/倒壊した建物に閉じ込められる/恥をかかされる/屈辱を与えられる/人の死を目撃する/不治の病だと診断される/流産・死産/両親の離婚/我が子の死

以上はドラマの世界。以下が臨床の話。

①もともと「肉体に受けたひどい傷」20世紀になってジェイムズとフロイトが「外傷性神経症」として強調。ヒステリーのルーツは児童期の性的搾取にあるという発見。しかし無視されフロイトも撤退。

②PTSD(心的外傷後ストレス障害)1980←戦争外傷神経症、シェル(砲弾)ショック、惨事トラウマ、ベトナム帰還兵

③1970年代フェミニズム運動→疫学調査により4人に1人の女性がレイプされ、3人に1人の女性が小児期に性的虐待を受けていた事実。レイプ・トラウマ症候群。家庭内暴力。近親姦。

恐怖と孤立無援感

症状
①侵入的再体験→パニックと苦痛
②回避行為(逃げたくなる)
③麻痺状態(狭窄、情動的へだたり)
④覚醒亢進(過覚醒、感覚が研ぎ澄まされる)

通常の物語記憶(改変可能、整理されていく、本質的に社会的)に対して外傷記憶(同じ映像がいつまでも変わらない臨場感でフラッシュバックする)トラウマ記憶は圧縮されない。
右脳に集中(神経科学1990〜脳スキャン)。ストレスホルモン。交感神経。

⑤解離(トラウマ体験はバラバラになり断片化するのでトラウマに関連した情動や音や声やイメージや思考や身体的感覚がそれぞれ一人歩きを始める)失感情症。離人症(自己感覚の喪失)。解離のせいで、複合的で絶えず変わる自伝的記憶の貯蔵庫内部にトラウマは統合されず、複式の記憶のシステムが構築される。

解決の方向:トラウマを引き起こした出来事を人生の全軌跡の適切な位置に収めること。つまり統合。


複雑性外傷後ストレス障害(ジュディス・L・ハーマン

第一部 心的外傷障害
第一章 歴史は心的外傷をくり返し忘れてきた
ヒステリー研究の英雄時代
戦争(外傷)神経症
性戦争の戦闘神経症
第二章 恐怖
過覚醒
侵入
狭窄
外傷の弁証法
第三章 離断
損われた自己
易傷性と復元性
社会的支援の効果
社会の役割
第四章 監禁状態
心理学的支配
全面降伏
慢性外傷症候群
第五章 児童虐待
虐待的環境とは
ダブルシンク
二重の自己(ダブル・セルフ)
身体への攻撃
子どもが成人すると
第六章 新しい診断名を提案する
誤ったレッテル貼りとなる診断
新概念が必要となった
精神科患者としての被害経験者
第二部 回復の諸段階
第七章 治癒的関係とは
外傷性転移
外傷性逆転移
治療契約
治療者へのサポート・システム
第八章 安全
問題に名を与える
自己統御の回復
安全な環境を創る
第一段階を完了するには
第九章 想起と服喪追悼
ストーリーを再構成する
外傷性記憶を変貌させる
外傷性喪失を服喪追悼する
第十章 再結合
たたかうことを学ぶ
自分自身と和解する
他者と再結合する
生存者使命を発見する
外傷を解消させる
第十一章 共世界
安全のためのグループ
想起と服喪追悼のためのグループ
再結合のためのグループ

ヨルシカ・ライブ