こころとからだのリテラシー(身体文化論)2025前期03こころ編(1)感情論

こころ編(1)感情論



フローベール『ボヴァリー夫人』『感情教育』
理性の時代における「愚行の発見」(クンデラ『小説の技法』)

現代「ヤバい」「エグい」「エモい」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250416/k10014780551000.html


■感情のボキャブラリー(を増やそう)

感情の一覧表。感情語。

じつは脚本家のためのマニュアル。
いろんな感情がある。ないのは感情に関するボキャブラリーやしぐさ。
<感情類語辞典>より(経験したことはある?)
愛情/圧倒/あやふや/安堵/怒り/苛立ち/陰気/うぬぼれ/驚き/衝撃/怯え/懐古/葛藤/悲しみ/感謝/気がかり/危惧/疑心暗鬼/期待/希望/疑念/きまり悪さ/驚嘆/恐怖/拒絶/疑惑/緊張/苦痛/屈辱/屈服/苦悩/軽蔑/激怒/決意/懸念/嫌悪/後悔/好奇心/幸福/興奮/高揚感/孤独/混乱/罪悪感/自信/自信喪失/自責/自尊心/嫉妬/失望/自暴自棄/心配/崇拝/絶望/羨望/短気/同情/動揺/憎しみ/熱望/敗北/恥/反感/不安/不信/不本意/不満/平穏/防衛/満足/無関心/愉快/用心/欲望/立腹/冷笑
しぐさや表情との関連。たとえば「きまり悪さ」


■感情を分類する
ジョナサン・H・ターナー『感情の起源』より(基本的な感情の4つのかたまりと3段階の激しさのクロス)

■感情の身体系
①自律神経系(呼吸、心拍、筋肉収縮、口の渇き、発汗、胃のもたれ)
②神経伝達物質と神経刺激性ペプチド(セロトニン、ドーパミン、アドレナリン)
③内分泌系(ホルモン)
④筋骨格系(顔の筋肉→表情)

■サンプル:怒りとアンガー・マネジメント

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』5分

序破Q

自己チェック項目
(1)隠された怒りスタイル
①怒り回避
決して怒らないようにしている
人が怒ると、本当に神経質になる
怒っているとき、何か悪いことをしているように感じる
②陰険な怒り
人が望むとおりにすると言っておきながら, それをし忘れることがよくある
「はい。でも・・・・・・」 「あとでやります」などの言い方をよくする
怒っているに違いないと人から言われるものの,その理由が私にはわからない
③内に向けられる怒り
自分に対していろいろと腹を立てる
自分の怒りを 「溜め込み」 頭痛 肩こり 胃痛などになる
「バカ者 自己中」のような醜い言葉で自分をよく罵倒する

(2)爆発的な怒りスタイル
①突然の怒り
本当に急に怒りがこみ上げてくる
怒ると考えずに行動する
怒りは非常に素早く消えてなくなる
②恥に基づく怒り
人に批判されると、 非常に怒る
傷つきやすく過敏であると言われる
自分のことを悪いと感じると, 怒りやすくなる
③意図的な怒り
欲しいものを手に入れようとして怒る
怒ることで人を怖がらせようとする
本当は怒っていないのに、怒ったふりをすることが時々ある
④興奮するための怒り
ただ興奮や刺激を求めて怒ることが時々ある
怒りに伴って生じる強い気持ちが好きである
退屈すると、時々議論や喧嘩をふっかけたりする

(3)慢性的な怒りスタイル
①習慣的な敵意
いつも怒っているように思える
私の怒りは, 難局を打開する際の悪習のように感じている
考えることなく、つまり自動的な感じで怒る
②パラノイア(恐れに基づく怒り)
まったく理由がないときでさえ, おおいに嫉妬心を抱く
人を非常に信じてはいない
時々、 仲間はずれにされているように感じる
③道徳的な怒り
自分の信念や意見を擁護しようとするとき, とても怒る
人がずるくやりのけようとすることに,しばしば激怒する
議論の最中, 自分が正しいことをいつも知っている
④憤り/嫌悪
長時間, 怒ったままでいる
人を許すのに苦労する
人が自分にしてきたことのために,その人のことを嫌う
アンガー・マネジメントの基本は、自分の中にある強い「あるべき論」を見直すこと。正しくキレて「都合のいい人」にならないようにする。

■感情が商品になるとき(感情労働)

ホックシールド『管理される心』原著は1983年。
デルタ航空のフィールドワーク。ディープインタビュー。
客室乗務員の場合は「サービスを提供するときの感情の様式それ自体がサービスの一部」
「自分の仕事を愛している」ように見えること。
→身体労働に対して感情労働。
感情労働をおこなう人は自分の感情を誘発したり抑圧したりしながら、相手の中に適切な精神状態(親しみ深く安全な場所でおもてなしを受けている感じ)を作り出すために、外見を維持しなければならない。
働く女性の半分は感情労働を必要とする仕事に就いている。
感情労働は一般市場に投入されると商品のごとく振る舞う。
デルタの訓練センターの人びと。エラい人たちにもインタビュー。


価格競争からサービス競争へ。
1人の乗客の1フライトに100時間の労働。しかし乗客と長時間接するのは客室乗務員だけ。
→宣伝広告の主体へ
客室があたかも自分の家であるかのように振る舞い、手に負えない乗客は何か心に傷を負うような過去を持っている人なのだと仮定して振る舞う。
真の熟練、誇らしい専門的職業と考える。
表層演技と深層演技。深層演技は感情の働きの自然な結果として表現される。自己誘発した感情を自発的に表現する。「あたかも何々であるかのように」振る舞う。仮定法によって振る舞う。この仮定法は制度によって管理される。→制度的な感情管理→感情労働

■感情の社会性(社会的に構築されている)
そもそも人間の感情は、感情規則を参照して生じるもの。感情規則は適切さ・不適切さの観点で学習される。これは集団によってちがう。
集合的な感情労働。チーム。
家族愛という感情規則。中産階級の感情規則。暴走族の感情規則。バンドの感情規則。看護師の感情規則。アイドルの感情規則。
「らしさ」の感情表現。
たとえば不満:絶対的不満と相対的不満。準拠集団によって変わる。