社会科学入門2025後期02学術研究の種類(ディシプリンとパラダイム)

02学術研究の種類(ディシプリンとパラダイム)

学問の立て分けは必ずしも自明ではない。

学術研究の種類(暫定的な分類)
A 自然科学(自然の理解と技術的応用)
B 社会科学(機能分化した社会の諸領域)
C 人文学(テクストなどの表象の解釈)
D 数理(記号操作による計算と推論)

ディシプリン
ここで言う「学問」とはディシプリンのことです。経済学とか心理学とか物理学といったような比較的独立した自律的な知識体系のことです。講義の中で言及した「自然科学」「社会科学」「人文学」「数理」のことではありません。

A 自然科学(自然の理解と技術的応用)
宇宙(天体)
地球(地学・地理)
物質(物理・化学)
技術(工学、情報)
生命(生物学)
心理(実験心理学)
医学(生理学・病理学を含む)






B 社会科学(機能分化した社会の諸領域、その相対的自律化)

ルーマンによると近代社会の場合、経済、政治、法、科学、教育、家族、宗教、芸術、マスメディア(→プラットフォーム)に機能分化し、それぞれが自律的に動いていく。

パーソンズによると、それぞれの領域には中心的な象徴的メディア(それを主軸に領域が動くような媒体)があるという。ここでは、わかりやすく整理してみる。

法学(法)

経済学(貨幣)

政治学(権力)

宗教学(神、教義)

経営学(組織)

社会学・人類学(全体社会、共同体)

教育(知識の配分、人格形成)

芸術(美)

プラットフォーム(情報)、ジャーナリズム(事実)

家族(血縁)

科学(真理、事実)


C 人文学(テクストなどの表象の解釈)

文学、歴史学、言語学、哲学、神学、宗教学、思想、芸術学、音楽学、考古学、精神分析

表象(表現されたもの)を解釈する。解読する。

作品の解釈(文学)

古文書の解釈(文献学)

教典の解釈、預言の解釈(宗教学)

発掘品の解釈(考古学)

夢の解釈(精神分析)

言葉の解釈(言語学)

思考の解釈(哲学)

法の解釈(法解釈学)

行為の解釈(理解社会学)


D 数理(記号操作による計算と推論)

数学、論理学、統計学、アルゴリズム

複素数は実在するのか?

物理学も経済学も数学を使う理由。自然界の言語は数学である(ガリレイ)。関係の記述とそれらの論理的活用に適している(ロジャー・ニュートン)。計量と数理モデル。合理的行為者。


E 学術的シンクレティズム(拡張と融合、学際研究)

社会科学の再編(人類学、社会学、システム論、エリアスタディ、国際学、環境学)

自然科学の再編(宇宙科学、地球科学、物質科学、生命科学)

人文学の再編(カルチュラル・スタディーズ、ジェンダー・スタディーズ、メディア・スタディーズ)伝統的な区切り方にこだわらない。複数形。


パラダイム論

科学論・科学哲学・科学史によると。

トーマス・クーン『科学革命の構造』

パラダイムとは、一般に認められた科学的業績で、一時期の間、専門家に対して問い方や答え方のモデルを与えるもの。

これが安定しているとき「通常科学」という。「パズル解き」と同じ。レールがひかれているので、すごいスピードで進歩しているように見える。

これが覆されるとき「科学革命」という。コペルニクス、ニュートン、ラヴォアジェ、アインシュタイン。古いパラダイムが新しいパラダイムに置き換えられる。

天動説と地動説

ケインズ主義と新自由主義(フリードマン)

天気予報と預言

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